対応できる症状・疾患について対応できる疾患
診察の方法
内痔核とその手術方法
【内痔核とは】
トイレでいきんだりして肛門にうっ血が生じてできます。血管(静脈)がイボ状にふくらんでできます。出血、脱出がおもな症状で、痔の多くを占めます。(下図1)
- 1. 出血するが脱出しない→座薬、パオスクレー注射(硬化)療法など
- 2. 出血し、脱出するが自然に元にもどる→四段階注射療法(ジオン)
- 3. 出血、脱出するので指で入れる→手術(古典的結紮療法)、四段階注射法(ジオン)(別途参照)
- 4. 出血、脱出したままの状態→手術(古典的結紮療法)(別途参照)
座薬は急性期、悪急性期、慢性期に応じてステロイド、非ステロイド、座剤をその特性に応じて使用します。また便通を整えるため、緩下剤や止しゃ薬、整腸剤、漢方薬などを使用します。
【内痔核の手術方法】
当院では、内痔核(いぼじ)を切りません。特殊なひもでくくって腐らせていぼじを落とします。大変痛いように思いますが、特殊な痛み止めを肛門に注射いたします。するとほとんど痛みは、ありません。肛門を切ることがないので、括約筋を切ることはありませんから、もちろん便が漏れたり下着が汚れるということもありません。この治療(古典的結紮療法)は、長い歴史がありその安全性と有益性が確認されています。
血栓性外痔核とその手術方法
【血栓性外痔核とは】
肛門の出口付近に、圧痛をともなう丸いイボができて気づきます。イボの中味は血のカタマリですが、痛みを伴います。治療方法として排便習慣の改善とともに、ステロイド座薬、消炎鎮痛剤などを使用します。改善がない、あるいは再発を繰り返す場合は、血栓摘出+外痔核郭清手術を行ないます。
【血栓性外痔核の手術方法】
当院では、CO2レーザーを使い外痔核(外にできたイボ)をできるだけ小さく切り取ります。術後は痛みがほとんどなく、出血も少ないことからこの手法を取り入れています。入院する必要はありません。
裂肛(きれぢ)とその手術方法
【裂肛(きれぢ)とは】
固い便や激しい下痢などで生じます。肛門付近の裂けた傷です。症状は排便時及び排便後の痛みと紙につく程度の出血です。原則手術はほとんどしません。大半は排便習慣(便秘、下痢)の改善でよくなります。しかし慢性化したものや肛門狭窄合併例では手術になります。
【裂肛(きれぢ)の手術方法】
裂肛を繰り返していたり、水様の便を長年繰り返すと肛門が狭くなります。肛門が狭い状態が固定化されるとさらに裂肛ができるという状態が繰り返されます。便通を整え、便の固さを練り歯磨き位の固さからバナナ位の固さに整えるようにするが大切です。また、狭くなった肛門を拡張することが重要です。当院では、皮膚弁移動術という手術を行いますが、日帰り手術を原則としており体にやさしい侵襲の少ない手術を心掛けております。
痔瘻(あなぢ)
肛門の周囲にオデキのようなものができて膿(ウミ)が出ます。「肛門の奥が重く痛い」「排便に関わらず痛い」「持続的にずっといたい」などの症状を訴えます。肛門の出口より少し入った所に肛門腺という粘液を出す組織(まだその働きはよく分かっていません)があります。この肛門腺にバイ菌が入り感染が起きることで膿がたまり腫れます。腫れは最大に達して皮膚、或は粘膜に穴があき膿が排膿されてできます。当院では、痔ろうの走行を確認するためにMRI(T2強調、脂肪抑制,矢状断像などを組み合わせ)画像診断を行っております。術前に正確なデータを把握し適確な手術を行うためと術後に痔ろうが治っているかどうかを知るためにこの検査を行います。当院の考え方といたしましては、手術を行わないとこの疾患は、治癒しないと考えています。